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補助金をもらうのに専門家を使うメリット

本記事は補助金を初めて申し込もうかどうか迷っている方のため、特に申し込みにあたり専門家を利用したほうがよいか迷っている方のための記事です。

そのため、補助金に詳しい方であれば当たり前のことがたくさん出てきますのでその点はご了承下さい。

補助金利用で専門家を利用すべきか否か

結論から書きます。

私は補助金を利用するに当たり、専門家を積極的に利用すべきだと考えています。

しかし、全ての会社に当てはまるとは思いません。

自力でできる会社はそうすべきです。

しかし、自力では色々困難があるのも現実です。

その現実を理解した上で自力でやるのであれば全く問題がありません。(ただし、多くの補助金は認定支援機関という専門家(多くは税理士)の書面が必要となりますので、形式的には専門家の支援が必要になってきます)

一方で、(内実共に)専門家を利用するのが合理的であると判断するのであればそうすべきです。

本記事ではどちらの選択をするにしろ、自社にとって正しい選択をできるために大事な情報を書いていきます。

補助金を身近に感じるか

補助金はかかった費用の半分や3分の2が国から補助されます。

補助金の対象になるのは多額になることが多いので、非常にありがたい制度と言えます。

しかし、補助金を利用するに当たり情報格差が生まれてしまうのも現実です。

例えば、俗にものづくり補助金と呼ばれている補助金があります。

毎年公募されており、補助金に詳しい会社は何度も採択されることがある一方、存在は知っているけど申し込もうと思ったことがない、自分に関係あるとは思っていなかった、という会社もあります。

これはひとえに、補助金が経営者にとってどれほど身近かということであるでしょう。

身近であれば積極的に利用するでしょうし、身近でなければ補助金をもらえそうなケースでもスルーしてしまう可能性が高くなります。

今回は少しでも補助金が身近になり、必要とする会社にとって申込みまでのハードルを下げていただければと思います。

さて、補助金のハードルが高くなる理由を採択までの段階別に挙げてみましょう。

補助金を得るまでの段階には①補助金の存在を知る、②期限内に応募する、③採択されるという段階を経る必要があり、それぞれにやっかいなハードルがあります。

①補助金の存在を知るためのハードル

まず、どのような補助金があるか網羅的に知らなければいけません。これが難しいのは毎年のように変わることと、非常に沢山の補助金があるためです。

例えば、業界において今年の主となる補助金は事業再構築補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引き継ぎ補助金と言われています。

このうち、事業再構築補助金は非常に注目されている今年からの制度ですし、ものづくり補助金も公募のたびに内容が少しずつ変化しています。

事業承継・引き継ぎ補助金は旧事業承継補助金と旧経営資源引継ぎ補助金が統合され、名称とともに内容も少し変わりました。

主要な補助金だけでもこのように毎年変わっていますが、上記の主要な補助金以外にも多種多様な補助金があります。例えば、特定の業種(一次産業が多い)に使える補助金や市町村が独自で実施している補助金もあります。これらは主要な補助金に比べ予算が少なく、そのため採択数が少なくなります。

では、応募する側の会社としてどこまで知るべきか。主要な補助金だけ知っていればよいのか。

主要な補助金は知名度も高く、関係者が推すことも多いので一般的にはこちらを検討することが多いでしょう。

一方で、マイナーな補助金のメリットもあります。それは採択数が少ないものの、同時に知名度も低いため、競争も緩やかになりやすいという点です。そのため、最初から諦めるのはもったいないということです。例えば、バリューチェーン改善促進事業という水産庁が実施している補助金があります。こちらは年間一桁の採択数になっています。つまり、応募者が少ないためその分採択へのハードルは低いと考えられます。

上記より、主要な補助金でなくマイナーな補助金にもアンテナを張る事が大切になってきます。

では具体的に、どのような対応が取れるのか。

会社がある補助金の存在を知るきっかけはいくつかあると思いますが、メルマガや知人から教えてもらうというのが一般的かと思います。

もしくは検索をするという方もいらっしゃるかもしれません。

この場合のリスクは、情報に偏りがあるという点です。メルマガは発行する組織によって偏りがありますし、複数の補助金の紹介があってもその軽重が不明のため、どの補助金が自社に一番良いか判断が難しくなります。

知人からの紹介であればその方のフィルターに左右されます。

検索する場合はその時点での情報であり、タイムリーな情報を得ることは難しくなります。

つまり、自力では限界があるということです。逆に言えば、詳しい人に相談するというのが一番確実な方法です。

理想は補助金に詳しい顧問税理士に相談することでしょう。

顧問税理士であれば定期的に会っているでしょうし、仕事柄詳しい方も多いです。

ただし、補助金は税理士の業務において必須の情報というわけではないので、中にはあまり詳しくない税理士もいます。

その場合は税理士にこだわらず補助金に詳しそうな人を探せばよいでしょう。

一般的に何らかの士業であれば補助金に詳しい人は多いといえます。

②期限内に応募するためのハードル

期限内に応募するのは当たり前では?と思われるかもしれませんが、これには理由があります。

公募期間が非常に短いということと、事前に準備が必要な場合があることです。

例えば直近では第5次ものづくり補助金の公募がありましたが、申請期間は2月2日から同月19日までの二週間強しかありません。

また、申請するにはGビズIDプライムアカウントというものの取得が必要となり、これを取得するだけで二週間以上かかります。

つまり、申請が可能になってから準備を始めては採択される水準の申請書を作成するには時間が足りないということです。

よって、短い期限内にそれなりの水準の申請書を提出するには公募が始まってから準備するのではなく、その前から準備をしておいて、公募が始まってから余裕を持って申請するというのが望ましい状態になります。

とはいえ、そのような状況を自力で作るのは難しいので、このためにも専門家に事前に相談しておくのがよいでしょう。

そうすれば専門家の方から申請までの段取りを教えてくれます。

③採択されるためのハードル

最後に、採択される申請書について説明します。

一般に、補助額が多い補助金では相当のボリュームとなる申請書を書かなくてはなりません。

さらに、申請書作成を支援する専門家・業者が慣れてきたこともあり、採択される水準は上がってきています。

少し具体的に言えば、補助金ごとの加点要素を理解して取りこぼさない、補助金の趣旨を踏まえた方向性の記載をする、技術的・専門的な話を専門家ではない審査員でも理解できるようにわかりやすく説明するなどです。

例えば加点要素は少々複雑で、加点要素を取るために他の制度の申請をすましておかなければいけなかったり、加点要素自体変更したりもします。

これらを踏まえ、自力で作成できるかということです。

現実には、冒頭に記載したように多くの補助金が認定支援機関という専門家の書面が必要なこともあり、申請書記載にあたって専門家を利用しているのが実情です。

まとめ

今回は補助金を申し込むに当たり、専門家を利用することのメリットを書いてきました。

専門家を利用するには相応の報酬を払う必要があります。

報酬は着手金プラス成功報酬という形態が一般的です。

コロナ禍ということもあり、余分な支出は抑えたいというのが自然な感情です。

一方で、費用を抑えた場合のデメリットも正確に見極めなければなりません。

専門家を使わない場合、使える補助金を取りこぼすリスク、期限内に応募できないリスク、かなりの時間と労力をかけても不採択となるリスクが高まります。

専門家を使ったからといってこれらのリスクをゼロにすることはできません。

しかし、自力で対応する場合の大変さは本稿を読んでいただきご理解いただけたと思います。

専門家を利用しなくても大丈夫なケースは無理に利用することがありませんが、そうでない場合はうまく専門家を利用し、会社にとって必要な補助金を取りこぼすことが少しでも少なくれば幸いです。