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計画作成(第5回)~成功させるために大切なこと~

コツの必要性

前回までで、計画を作成するメリットからどのように作成するか、作成した後どうするかについて説明してきました。ただ計画を作るだけなら前回までの記事をお読みいただければできると思います。しかし、より良い計画を作るにはいくつかコツがあります。前回までの記事でも断片的に述べましたが、今回は計画を成功させるためのコツに絞って解説していきます。

誰よりも経営者が腹落ちする

まず何より最重要なのは、経営者の方が計画に腹落ちすることです。計画を作る機会として実際に多いのは、リスケなど金融支援をする際に金融機関の求めに応じての場合ですが、この場合経営者としては計画を作る必要性を十分理解していないケースがあります。また、計画作成だけでなく財務・事業調査(デューデリジェンス)も併せて実施され、多額の費用がかかることも納得が行かない理由の一つでしょう。そのような状況で作られた計画では、経営者の中身は変わりません。結果、行動も変わらず、業績も変わりません。最悪、コンサルが勝手に作ったというケースすらあります。そのような状況は皆が不幸です。そうならないためには、まず経営者の方が計画を作る必要性を誰よりも強く感じ、作った計画の中身について完全に腹落ちすることが肝になってきます。計画を作るのは、あくまで会社自身のためです。会社のトップである経営者が率先して計画の中身を実行に移すべき立場であるということを理解しましょう。

作ってからも試行錯誤が当たり前

計画で決めた改善行動は実行に移しますが、それで全ての問題が解決するわけではありません。計画通りの効果を挙げる施策もあれば、期待ほどでない施策もあります。これらはやってみないとわからない面があります。また、計画作成時点では予想できなかった事象が起きることもあります。例えばコロナ禍はを予測できた人はだれもいないでしょう。つまり、杓子定規に計画で決めたことを実行するだけでなく、常に試行錯誤を繰り返す心構えでいなければならないということです。

うまく作れなかったらもっと手前から考える

資本主義は基本的に他社との競争なので、競争に勝たなければなりません。勝つための定石は、自社の強みを活かし、優位に立つことです。そのため、計画に置いてもSWOT分析はじめ各分析に置いて強みを把握し、これを軸に行動計画を作ることが多いです。この点、多くの中小企業は自社の強み・良さに気づいていないことが非常に多く、ヒアリングをする過程でどんどん出てくることが多いです。しかしながら、やはり稀に強みらしい強みがない会社も存在します。そのような会社が行動計画を作ろうとしても、具体的で効果の高い施策は中々難しいでしょう。そのような場合は無理に計画を作るのではなく、まず自社の強みを作ろうとするところから始めた方が良い場合もあります。このように、計画を作ってもしっくりこない場合は原因があるはずなので、その手前から考えることも大切です。

メリハリのある分析

現状分析の記事(計画作成(第2回)~現状分析:世界を正しく見る~)で紹介した手法は中小企業においてはなじみのないものです。その上、事業・財務、内部・外部など様々な視点から分析するので、中には非常に負担に感じる経営者の方もおられるでしょう。しかし、自社を大きく改善させるための宝の情報はどこに転がっているかわからないものです。そのため、大変だったとてしもてある程度視野を広げて分析すべきです。一方で、全ての分析が同じ価値を持つわけではないので、自社にとって有益な結果が得られない可能性が高ければ必要最小限にとどめるべきです。そうしないと肝心な行動計画に辿り着く前に心が折れてしまいます。つまり分析にメリハリをつけるということです。

実行可能な施策を

行動計画の記事(計画作成(第3回)〜将来を考える:行動と数値〜)でも書きましたが、打ち出すべき施策は実行可能なものにすべきです。あまりにも多くの施策を考えると全て実行する前に心が折れますし、実現不能なレベルの施策では有名無実なものになってしまいます。実行に移す前はあれもこれもと欲張りたくなるものですが、結局実現できないと何の意味もありません。計画を作る段階で実行への具体的なイメージをし、確実に履行できるようにしましょう。

専門家を利用する

計画作成の一連の記事では、自社でも作成できるよう丁寧に解説してきました。もちろん、これなら自社で作成できそうだと思われた経営者の方は自社で作成すべきです。しかしながら、現実問題として自社だけでできるか不安な経営者の方も多いはずです。計画書にはそれなりに分量があり、リソースを割かなければなりません。また、現状分析や行動計画を作る上では経営の知識も必要になります。特に、数値計画については会計・税務の知識が必須となります。さらに、金融機関への提出も考えると、金融機関目線の知識もあった方が良いでしょう。つまり、計画作成を自力で行うことも不可能ではないですが、より合理的に質の高いものを作ろうと思うのであれば、専門家の利用をお勧めします。認定支援機関認定支援機関を利用しようであれば計画作成の経験がある可能性が高いです。身近な顧問税理士、中小企業診断士の方に尋ねて見るのも良いでしょう。

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まとめ

・経営者が腹落ちしていないと計画を作る意味がない

・計画を作れば全てうまくいくわけではなく、常に改善を続ける

・しっくりした計画が作れなければ、前提条件を見直す

・分析は有用な情報が落ちてないかアンテナを高く、一方で有益な情報がなさそうであれば必要最小限に

・計画作成段階で実行への具体的なイメージをし、確実に実行できる施策にする

・計画作成には高い専門性が求められ、計画作成に慣れている認定支援機関を利用した方が合理的である