どうすれば金融機関はリスケしてくれるでしょうか。
リスケに必要なのは・・・
赤字を計上してしまうと、資金繰りがかなり厳しくなるのが通常だと思います。特に、金融機関への借入金の返済は、資金繰りの中でも一番大変なのではないでしょうか。しかし、それを猶予してもらう方法はあるのです。これをリスケジュール(以下「リスケ」)といいます。とはいえ、金融機関もただでリスケしてくれるわけではありません。ここで必要となるのが、将来の計画を作ることです。
金融機関サイドの不安を取り除く
なぜなら、将来の計画がないと、金融機関としても将来の回収見通しが立たないからです。つまり、金融機関としても、出来ることならリスケなどせずに引き続き回収したいわけですが、それでもリスケに応じてくれるのは、このまま回収を続けることにより会社の経営を苦しくするよりは、一旦返済を止めている間に会社に体勢を立て直してもらって、将来きちんと返済してもらう。この方が、結果的に金融機関も得だと判断するからリスケに応じてくれるわけです。しかし、将来の計画がないと、今返済をとめただけでなく、今後何年経っても返済できないのではないか、つまり、回収できないままになってしまうのではないかという不安が解消されないのです。
公的な支援が利用できます
では、具体的にどのような方法があるのでしょうか。実は、業績が芳しくない会社に対する支援というのは、現在国が非常に力を入れている分野であり、複数の公的支援制度があります。まず、一番すそ野が広い方法として、認定支援機関※を利用した経営改善計画というものがあります。これは、国が認定した専門家の支援に基づいて計画を作るものであり、この専門家費用に対して補助金が出ます(200万円または3分の2のうち低い額が限度)。次に、売上が数億円以上ないし関係金融機関の数が増えると、中小企業支援協議会を利用した制度が適してきます。この制度は、各県に設置された中小企業支援協議会が金融機関との金融調整を行うものであり、こちらも計画を作成する外部専門家費用に対し、補助金が出る場合があります。また、上記は公的な制度を利用した場合ですが、このような制度を利用せずとも、金融機関との交渉を会社自身で行うこともできます。但し、この場合は自社のみで計画を作るか、外部専門家に計画作成支援を依頼したとすると専門家費用を全額自社で負担しなければならないので、ややハードルが高くなります。
注意点としては…
計画を作成する際の注意点としては、地に足の着いた、現実的な計画を作ることです。よくある失敗のケースとして、将来のことは将来になってみないと分からないといって、強気な計画数値を作る経営者がおります。しかし、これは自分で自分の首を絞めるようなものです。金融機関側からすると、計画は作るだけでなく、当然その後に定期的なモニタリングを行っていきます。その際、計画数値と実績値のずれが大きすぎると、会社に対する信用度が下がり、新規融資に対応できなくなったり借換えに応じてくれなくなったりするのです。
まずは実践あるのみです
リスケをするには計画が必要であることはご理解いただけたと思います。とはいえ、普通は今までにない経験であり、尻込みする方が多いのではないでしょうか。ですが、動かなれば何も状況は変わりません。まずは、計画を作ってみることをお勧めします。最初は、一番身近な顧問税理士に相談することから始めてください。
※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。