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金融仲介機能のベンチマークを地域ごとに見る~第13弾:滋賀県編~

1.滋賀県の地銀

滋賀県は西日本有数の工業県であり、県内総生産に占める製造業の割合は35.4%で全国1位です。また、環境先進県としても知られており、新エネ・バイオ・水処理等の環境関連企業・教育機関などが集積しています。

滋賀県には第一地銀である滋賀銀行があります。地方銀行は一行のみです。

主要指標は下記表のとおりです。

全て単体の指標滋賀銀行   
経常収益(H29.3)74,323百万円    
コア業務純益(H29.3)*1不明百万円    
修正OHR(H29.3)*274.9%    
経常損益(H29.3)19,230百万円    
自己資本比率(H29.3)*316.4%    
従業員(直近)2,239    
県内貸出シェア(H28.9)44%    
*1 銀行の本業の収益性を示す代表的な指標    
*2 経費÷業務粗利益で算出。効率性を示す指標で低い方が良い。地銀の加重平均値は70.3%
*3 国際基準。国際基準では8%以上が義務付けられている。  

2.金融仲介機能のベンチマーク項目

では、具体的に同ベンチマークの項目を見てきます。

(なお、項目の詳細な異同については末尾の(参考)に記載しておりますので必要に応じてご参照ください)

共通ベンチマークは4つ掲載しています。掲載されていないのは事業性評価融資についてです。事業性評価融資は業界的にもはや当たり前のことになりつつあり、掲載しないとやはり目立ちます。

選択ベンチマークは8項目です。他行と比べ数は多くありません。内容もオーソドックスな項目が中心です。担保・保証に過度に依存しない融資や本業支援に関連するベンチマークの掲載はほしかったですね。

数値面では、「事業再生支援先におけるDES・DDS・債権放棄を行った先数」がやや多めです。他行は10件に届かないことが多いですが、当行はH28に34件、H29に37件実績があります。 

独自ベンチマークは8つです。面白いのが格付コミュニケーション・サービスについての二つです。同サービスは同行による企業把握の方法の名称ですが、ベンチマークとすることで、より効果的な運用が可能になるでしょう。

3.定性面

滋賀銀行の中期経営計画(平成28年度~平成30年度)は「チェンジ&チャレンジ」です。3つの「チェンジ」のうち、「お客様対応スピードのチェンジ」「組織運営スピードのチェンジ」がスピードについて述べられており、やや具体的な印象です。数値目標では温室効果ガス排出量削減の記載が環境先進県らしい点です。産業構造や地域資源への言及もあり、地域特性が分かりやすいものでした。

金融仲介機能のベンチマークとの関連では、中期経営計画の中で企業のライフステージに応じた取組や、事業性評価に基づく融資についての説明があるので、それに則った形で説明されています。

内容面ではテーマ別に具体的な取り組みと絡めてベンチマークを説明するという比較的オーソドックスな方法です。特徴的な点は格付コミュニケーション・サービスのアピールで、事業性評価融資よりも早い順番で出てきます。同行として非常に重視している姿勢が伝わります。

まとめです。

共通ベンチマークである事業性評価融資を記載しないのはもったいないですね。文脈からは格付コミュニケーション・サービスが事業性評価と似ているからとも受け取れるのですが、やはり他行がほとんど掲載していますので、載せた方が良かろうと思います。

もう一つ、中期経営計画でせっかく地域特性に触れているのだから、これらにまつわる独自ベンチマークを設定していればもっと地域貢献に対する姿勢が伝わったのであろうという点です。

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(※1)金融仲介機能のベンチマークについては、2017年5月13日のコラムで説明しております。

(参考)

(1)掲載ベンチマーク

共通ベンチマーク

1 金融機関がメインバンク(融資残高1位)として取引を行っている企業のうち、経営指標(売上・営業利益率・労働生産性等)の改善や就業者数の増加が見られた先数(先数はグループベース。以下断りがなければ同じ)、及び、同先に対する融資額の推移

2 金融機関が貸付条件の変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況

3 金融機関が関与した創業、第二創業の件数

4 ライフステージ別の与信先数、及び、融資額(先数単体ベース)

選択ベンチマーク

1 全取引先数と地域の取引先数の推移、及び、地域の企業数との比較(先数単体ベース)

2 メイン取引(融資残高1位)先数の推移、及び、全取引先数に占める割合(先数単体ベース)

18 販路開拓支援を行った先数(地元・地元外・海外別)

19 M&A支援先数

21 事業承継支援先数

23 事業再生支援先における実抜計画策定先数、及び、同計画策定先のうち、未達成先の割合

24 事業再生支援先におけるDES・DDS・債権放棄を行った先数、及び、実施金額(債権放棄額にはサービサー等への債権譲渡における損失額を含む、以下同じ)

独自ベンチマーク

1 格付コミュニケーション・サービスの実施先累計

2 格付コミュニケーション・サービス継続実施先における経営改善状況

3 しがぎんニュービジネスサポート資金 類型実績

4 動産担保融資(Asset Based Lending)取組件数、残高(億円) 

5 エコビジネスマッチングフェア出展社数

6 スキーム別再生支援の取組実績

7 主な外部専門家連携先数

8 CSR私募債発行総額

(2)金融仲介機能のベンチマーク

滋賀銀行(公表日不明)

http://www.shigagin.com/pdf/investor_relation_chiikimichaku_28.pdf

(3)中期経営計画

滋賀銀行(平成28年度~平成30年度)

http://www.shigagin.com/pdf/6thMMP.pdf

(4)各行における指標の引用元

基本的には各行のWebサイトより引用しています。修正OHRについては「月刊 金融ジャーナル2017 9月号」より引用しています。貸出シェアについては適宜情報が掲載されている各種サイトより引用しています。

※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。