金融仲介機能のベンチマークを項目ごとに見る ~第三弾:選択ベンチマーク6-10~
前回に引き続き、金融仲介機能のベンチマークを各々のベンチマークごとに見ていきます。
目次
選択ベンチマーク6
事業性評価に基づく融資を行っている与信先の融資金利と全融資金利との差
(掲載率)
掲載している銀行は3%と、ほとんどの銀行は掲載していません。
(最大や平均値)
掲載行が極めて少ないのであまり意味がありませんが、金利差の最大値は0.3%、最小値は0.04%となっています。
(寸評)
どの程度事業性評価融資を踏み込んで実行しているかを端的に示す指標になります。取り組みの本気度が分かってしまうためか、掲載行は非常に少ないです。
選択ベンチマーク7
地元の中小企業与信先のうち、無担保与信先数、及び、無担保融資額の割合(先数単体ベース)
(掲載率)
複数の項目がありますが、いずれも2~3割の掲載率です。
(最大や平均値)
無担保融資先数割合では、最大値が8割弱、最小値が一桁、平均が6割弱です。
無担保融資残高割合では、最大値が6割弱、最小値が1割強、平均3割程度です。
(寸評)
全体に対する無担保の割合が先数よりも残高の方が少ないのは、少額の取引先が無担保となりやすいためと推測されます。
選択ベンチマーク8
地元の中小企業与信先のうち、根抵当権を設定していない与信先の割合(先数単体ベース)
(掲載率)
1割程度です。
(最大や平均値)
根抵当権未設定先数割合では、最大値が8割強、最小値が6割強、平均が7割強です。
(寸評)
思ったより高いという印象ですが、掲載行が少ない影響もあるかもしれません。
選択ベンチマーク9
地元の中小企業与信先のうち、無保証のメイン取引先の割合(先数単体ベース)
(掲載率)
1割程度です。
(最大や平均値)
無保証のメイン先の割合では、最大値が5割強、最小値が1%、平均2割弱です。
(寸評)
選択ベンチマーク8よりもかなりばらつきがあります。やはり無保証でメイン行となるのは難しいようです。
選択ベンチマーク10
中小企業向け融資のうち、信用保証協会保証付き融資額の割合、及び、100%保証付き融資額の割合
(掲載率)
複数の項目がありますが、いずれも一桁です。
(最大や平均値)
保証付き融資の割合では、最大値が2割程度、最小値及び平均は10%台です。
100%保証の割合では、最大値が2割程度、最小値及び平均は一桁台です。
(寸評)
掲載行が少ないので何とも言えませんが、協会保証付き融資の割合は思ったより少ない印象です。但し、物的担保の設定状況も併せて考慮しなければ、本当の意味で担保・保証に過度に依存しない融資に取り組んでいるか不明である点は注意が必要です。
※最大値、最小値、平均等の数値はH29.3の数値を用いています。
※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。