金融仲介機能のベンチマークを項目ごとに見る ~第八弾:選択ベンチマーク31-35~
前回に引き続き、金融仲介機能のベンチマークを各々のベンチマークごとに見ていきます。
目次
選択ベンチマーク31
融資申込みから実行までの平均日数(債務者区分別、資金使途別)
(掲載率)
1行のみです。
(最大や平均値)
掲載している銀行は債務者区分ごとに、融資目的別に日数を算出しています。そのため、最大値・平均値は省略します。
(寸評)
融資スピードは銀行の競争力の一つといえます。そのため、この分野を重視するのであればもっと掲載行が増えてもよいでしょう。
選択ベンチマーク32
全与信先に占める金融商品の販売を行っている先の割合、及び、行っていない先の割合(先数単体ベース)
(掲載率)
1行のみです。
(最大や平均値)
1行しか掲載していませんが、金融商品の販売を行っている先の割合では2%です。
(寸評)
取引先に金融商品を販売することについて、一概に良い悪いを判断するのは難しいでしょう。しかし、銀行間で違いが出そうな項目でもあるので、銀行の姿勢を見る上での一つの判断材料にはなりえます。
選択ベンチマーク33
運転資金に占める短期融資の割合
(掲載率)
1割程度です。
(最大や平均値)
運転資金に占める短期融資の割合では、最大値が四割、最小値が二割、平均が三割です。
(寸評)
運転資金の返済期間は企業にとって非常に重要な情報です。銀行の考え方が表れやすい項目でもあるので、少しの差でも注意深く見た方がよいでしょう。
選択ベンチマーク34
中小企業向け融資や本業支援を主に担当している支店従業員数、及び、全支店従業員数に占める割合
(掲載率)
1割程度です。
(最大や平均値)
全支店従業員数に占める割合では、最大値が5割強、最小値が2割弱、平均が3割程度です。
(寸評)
支店は中小企業と接する最前線です。そのため、支店従業員に占める本業支援担当者の割合は有用な情報でしょう。
選択ベンチマーク35
中小企業向け融資や本業支援を主に担当している本部従業員数、及び、全本部従業員数に占める割合
(掲載率)
1割程度です。
(最大や平均値)
全本部従業員数に占める割合では、最大値が3割弱、最小値が一桁台、平均が1割強です。
(寸評)
さすがにいずれの項目も選択ベンチマーク34の支店より低くなっています。銀行がどの分野に注力しているかにもよりますが、銀行のカラーを判断する一つの材料とはなりそうです。
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※最大値、最小値、平均等の数値はH29.3の数値を用いています。
※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。