金融仲介機能のベンチマークを項目ごとに見る ~第十一弾:選択ベンチマーク46-50~
前回に引き続き、金融仲介機能のベンチマークを各々のベンチマークごとに見ていきます。
今回がシリーズ最終回です。
目次
選択ベンチマーク46
事業計画に記載されている取引先の本業支援に関連する施策の内容
(掲載率)
2%です。
(寸評)
掲載している銀行は多くの施策を掲載していますが、正直これだけの情報だと何をどのように解釈すれば良いか困難です。当該内容についてはベンチマークというよりは、定性情報として説明も加えたうえで情報発信した方が読み手にとって優しいのではないでしょうか。
選択ベンチマーク47
地元への融資に係る信用リスク量と全体の信用リスク量との比較
(掲載率)
2%です。
(寸評)
EL(期待損失)やUL(非期待損失)といった数値を掲載していますが、銀行外部の一般人がこの数値の意味を正確に把握するのは困難でしょう。
選択ベンチマーク48
取引先の本業支援に関連する施策の達成状況や取組みの改善に関する取締役会における検討頻度
(掲載率)
5%程度です。
(最大や平均値)
取締役会の議案・報告件数/年では、最大値が200件/年程度、最小値が100件/年程度、平均が150件/年程度です。
うち取引先の本業支援に関連する施策の達成状況等の議案・報告件数では、最大値が35件/年程度、最小値が5件/年程度、平均が15件/年程度です。
(寸評)
この指標も形式だけ整えて数を増やすことはできるでしょうが、経営陣に関連する数少ない指標です。
選択ベンチマーク49
取引先の本業支援に関連する施策の達成状況や取組みの改善に関する社外役員への説明頻度
(掲載率)
1%です。
(寸評)
ガバナンスに関する項目ですが、この指標単独で意味を持たせるのは難しいでしょう。形式だけ整えて数を伸ばすという可能性は十分あり得るからです。
選択ベンチマーク50
経営陣における企画業務と法人営業業務の経験年数(総和の比較)
(掲載率)
1%です。
(寸評)
この項目も、指標だけでは何を伝えたいか意図が不明になりがちです。数値だけではなく、しっかりとした定性的な説明も必要だと思われます。
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※最大値、最小値、平均等の数値はH29.3の数値を用いています。
※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。