金融仲介機能のベンチマークを全106行見た雑感 ~第二弾:どうすれば説得力あるアピールになるか~
第二弾は、このようにアピールすればもっと効果的なんじゃないかという方法についてです。
金融仲介機能のベンチマーク(以後、ベンチマーク)をしっかり説明しようとする銀行は、ベンチマーク単独だけでなく、定性情報も併せてセットで伝えようとしています。ベンチマークのような定量情報だけでなく、文章や図・写真でも併せて説明した方が分かりやすいからです。
しかし、この定性情報ですが、ベンチマークと関連してこのような施策を行っています(例えば商談会やセミナー等)、というだけの位置づけがとても多いのです。これでは、読んでる方としてはふーん、そうなのか、で?となってしまいます。これだけでは訴求力が薄い。だから、こんな工夫をしています、他行とはここが違います、というポイントを明確にした方がよりクリアに伝わるはずです。
例えば、ただ商談会をやりました、とするだけでなく、地元の主要産業である×の商談会につき、取引先企業からアンケートを取ったうえで○の形式で行いました、などです。
独自ベンチマークについても同じようなことが言えます。
独自ベンチマークを設定すること自体はとても良いことなのですが、なぜそれを設定したかまで説明している銀行は多くありません。「当行は~の独自ベンチマークを設定しました」とするのみの説明が多いのです。
例えば、この地域にはこういう特色があって、だから自行はこういう方向性をもっており、そのためこの独自ベンチマークを設定しました、というのが説得力のある説明です。
今回は定性情報と独自ベンチマークを例にとってどのようにアピールすべきかを述べました。キーワードはオリジナリティでしょうか。定性情報にしろ、独自ベンチマークにしろ、ただ載せただけでは他行との違いが分かりません。読む方は銀行の外部の人間なのです。
銀行の内部の方にとってもほかの銀行の動向は分かりにくいものかもしれません。しかし、銀行固有の方針に則って施策に取り組んでいるのであれば、自ずと工夫や特徴が出てくるはずです。このようなものを、外部の者がきちんと理解できるように説明してほしいのです。
正直なところ、どの銀行も似たような説明が非常に多いという印象はぬぐえません。
よって、何が違うのかを明確に示すこと。
その銀行のオリジナリティについてしっかりと説明することが説得力あるアピールをするための方法です。
(むろん、前提としてその銀行が自らのオリジナリティは何かについて正確に理解している必要があることはいうまでもありません)
※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。