金融仲介機能のベンチマークを項目ごとに見る ~第四弾:選択ベンチマーク11-15~
前回に引き続き、金融仲介機能のベンチマークを各々のベンチマークごとに見ていきます。
目次
選択ベンチマーク11
経営者保証に関するガイドラインの活用先数、及び、全与信先数に占める割合(先数単体ベース)
(掲載率)
ガイドライン活用先数及び活用先数の割合は5割程度の銀行が掲載しています。
また、この他にも無保証新規融資件数や新規融資件数に占める経営者保証に依存しない融資の割合など関連する項目が複数あるのですが、これらの項目の掲載率は概ね1割強から2割強といったところです。
(最大や平均値)
ガイドライン活用先数割合では、最大値が4割弱、最少が一桁、平均が1割強です。
(寸評)
ガイドライン活用割合の平均が1割強というのは少ない印象です。掲載していない銀行は掲載している銀行に比べて低いと考えるのが自然ですから、まだまだ経営者保証に依存しているというのが実態でしょう。
選択ベンチマーク12
本業(企業価値の向上)支援先数、及び、全取引先数に占める割合
(掲載率)
2~3割の銀行が掲載しています。
(最大や平均値)
全取引先数に占める割合では、最大値が4割強、最小値が1%、平均が1割程度です。
(寸評)
銀行間でばらつきが大きい指標です。ただし、本業支援の定義が銀行によって大きく異なる可能性があるので、数値はあくまで参考値として見た方がよいでしょう。
選択ベンチマーク13
本業支援先のうち、経営改善が見られた先数
(掲載率)
2割弱です。
(全体に占める割合など)
与信先に占める割合では、最大値が2割程度、平均が一桁台です。
(寸評)
本業支援先数の割合自体が低いので、その中でさらに経営改善が見られた先数の割合はなお低くなるのでしょう。
選択ベンチマーク14
ソリューション提案先数及び融資額、及び、全取引先数及び融資額に占める割合
(掲載率)
複数項目ありますが、各々3から4割程度の掲載率です。
(最大や平均値)
ソリューション提案先数の全体に占める割合では、最大値が5割弱、最少が1%、平均が1割強です。
同融資残高の割合では、最大値が7割弱、最小値が1%、平均2割程度です。
(寸評)
選択ベンチマーク12の本業支援先数と似た指標になりますが、本業支援よりもソリューション提案の方が若干範囲が広いためか、全体に占める割合もやや多くなっています。
水準自体については、逆から考えると9割近い取引先に対しては何の提案もしていないと捉えると、やはり改善の余地があるように思います。
選択ベンチマーク15
メイン取引先のうち、経営改善提案を行っている先の割合
(掲載率)
2割程度です。
(最大や平均値)
経営改善提案を行っている先の割合では、最大値が4割弱、最小値は一桁台、平均は10%台です。
(寸評)
選択ベンチマーク12の本業支援先や、選択ベンチマーク14のソリューション提案先などと似た指標です。そのためか、数値の水準もそれらのベンチマークと概ね近い水準となっています。
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※最大値、最小値、平均等の数値はH29.3の数値を用いています。
※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。