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栃木県の信金・信組の頑張り~第二弾:那須信用組合(なすしん)~

栃木県内の信用金庫・信用組合の紹介、第二弾は那須信用組合です。

(1)営業エリア

那須塩原市を中心に全9店舗を有しています。第一弾の大田原信金と同様、栃木県北エリアが営業基盤です。

(2)経営計画

 当組合は、金融機能の強化のための特別措置に関する法律に基づき、新たな経営強化計画(平成28年4月から平成33年3月)を策定・遂行しています。この計画は金融機能の強化を通じて地域における経済の活性化が図られるよう、金融機関に対して国が資本参加するものです。当組合は、東日本大震災により自己資本の充実を図ることが必要となったために、同計画を申請しています。

(3)取り組み

上記計画に基づいて様々な施策を実施しています。その中でも、「事業再生・地域活性化支援チームなすしん」による経営改善支援が特筆すべき取り組みです。元々は「事業再生支援チームなすしん」でしたが、平成28年4月に呼称を変え、本格的な地域再生に取り組んでいます。今や地方にとって事業再生は欠かせない領域であるにもかかわらず、まだまだ金融機関には専門家が少ないので、今後も重点的に取り組んでほしいところです。

また、「MOTTAINAI もっと」というクラウドファンディングにも力を入れているようです。クラウドファンディングの一般的なイメージはその名前からくる通り資金調達ですが、このクラウドファンディングは事業者の情報発信や顧客開拓に主眼が置かれている点が特徴的です。魅力的な資源を持ちつつも、効果的なアピール手段を知らないというのが地方の中小事業者のほとんどかと思います。そのような事業者にとって有効な手立てになるのではないかと思います。

(4)金融仲介機能のベンチマーク

金融仲介機能のベンチマーク(注1)として特段公表している資料はありません。しかし、公表していないからと言って積極的に取り組んでいないわけではなく、定性的な取り組み状況についての記載はあるようです。同組合のような信用組合は、規模や地理的制約などの面からベンチマークのような定量的な成果には結び付きにくく、あえて公表していないのではないかと推測しています。

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(※1)金融仲介機能のベンチマークについては、2017年5月13日のコラムで説明しております。

※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。