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自社の良さ、本当に伝わっていますか

自社の良さを消費者や金融機関などの外部に伝えることは大切です。

何を当たり前のことを言っているのか、と思われたことでしょう。

しかし、敢えて当たり前のことをテーマにしたのには理由があります。

経営者の皆様が思っている以上に、自社の良さは外部に伝わっていないからです。

基本的に外部の人は、自分から企業の良さを探そうとはしません。

あくまで企業から発せられる情報を受け取るだけなのです。

なので、外部からもたれる企業のイメージは、企業自身がコントロールしなければなりません。

そのため、なぜ自社の良さが十分伝わっていないか、経営者側からの視点で見ていこうと思います。

経営者自身が自社の良さに気づいていない

まず、企業に何か特徴的な良さがあったとしても、それに経営者自身が気付かなければ伝えようがありません。

自分で気付かないはずはないと思われるかもしれませんが、じつはこのケースは非常に多いのです。

なぜなら、経営者は自社を「中から見る視点」しか持っておらず、外から多数の会社を比較する、ということは通常しないからです。

そのため、経営者としては当たり前と思っていることが、実は他社では当たり前でなく、その会社の大きな強みであるというケースは実に多いのです。

よって、まずは経営者自身がきちんと自社の良さを把握できるかが大切です。

ここでのポイントは、過大評価も過小評価もせず、客観的に正確に捉えることです。

伝え方がわからない

自社の良さをきちんと掴んだとしても、それをどのように伝えればよいかわからないといったケースも非常に多いです。また、日本人の謙譲の美徳からか、積極的にアピールするのが苦手な経営者も多いです。

状況やお気持ちは痛いほどわかるのですが、悲しいかな今の時代は消費者に非常に有利な時代。つまり、消費者は自分の嗜好を満たしてくれる会社を容易に選べる時代となってしまったのです。、会社を側の視点からすると、選ばれるようにならなければいけない時代になってしまったということですね。

そのため、好むと好まざるとに関わらず、企業の存続のためにはきちんと自社の良さを伝えなけらばいけない時代となっているのです。

どうすればよいか

では、経営者としてはどうすればよいのでしょうか。

いくつかアプローチはありますが、国が最近勧めているのはローカルベンチマークというものです。

これは簡単に説明すると、企業が金融機関をはじめとする外部と有意義な対話を行うために、売上増加率や営業利益率など、キーとなりそうな項目を絞ったものです。

細かい説明は省きますが、企業を理解する上で重要な項目は網羅されていますので、この項目の中から自社の良さはどこにあるか把握するヒントとすることはできます。

また、金融機関側としてもこのローカルベンチマークを使って企業と対話することが推奨されていますので、スムーズに対話が進むことと思われます。

次に、専門家に診てもらう方法もあります。

ある業界に強い専門家は同業他社をたくさん見てますので、他社との違いに敏感、つまりその会社の良さに気付きやすいのです。

中小企業向けに専門家を無料で派遣してもらえる制度もあります。

積極的にご利用されることをお勧めします。

いきなり外部の専門家に診てもらうことにハードルを感じるというのであれば、まずは顧問税理士でも良いと思います。

外部の第三者からの視点は、時として経営者自身が気付いていないことが見えるものです。

自社に良いところなんて一つもないよ、という経営者へ

特徴のない会社はありません。特徴とは表裏一体です。だから、どの会社にも良い点は必ずあります。悪いと思う点でも見方を変えれば良い点になるのです。

例えば、会社の規模の大きさ。

大きい会社は財務的な基盤が強固な面もありますが、時代の急激な変化には対応が後手に回ります。よって、機動的な動きは規模が小さい会社の方が圧倒的に有利です。

大きな会社の不祥事が続いていますが、大きな会社だからこそ防げないこともあります。

中小企業でしたら、社長の人間次第でどうにでもなるのです。

大事なことは、どういう切り口で捉えるか。

そして、それを外部にどう伝えるか。

これからの時代は、「自発的な発信」ということが決定的に重要な意味を持ってきます。

きちんとできている会社はまだほとんどありません。

他社もできるようになった頃にようやくできたとしても、それでは埋もれてしまいます。

今のうちから手を打ち、有利な状況を作っていきましょう。

※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。