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良い専門家は何が違うのか

会社のポテンシャルを引き出す力がある

これまでのコラムでも、会社を支援する専門家の質には大きくばらつきがあるということを書いてきました。それでは、優秀な専門家とはどのようなものなのでしょうか。優秀であることの条件はたくさんあると思いますが、中でも会社のポテンシャルを最大限に引き出すことのできる専門家は優秀であると考えます。専門家としての能力を測る指標は知識、人柄、人脈など他にもいくつかありますが、なぜ「引き出す力」なのでしょうか。

専門家の役割はあくまで支援、主役じゃない

それは、専門家はあくまで会社の事業を支援する補助者の立場であって、主役とはなりえないからです。事業の主役はあくまで会社、そのためどんなに支援する立場の専門家が優秀かつ熱意があったとしても、会社の方に熱意も能力もなければ専門家が関わる効果は薄いのです。

このようなことを言うと、では専門家はいらないのではないか、会社が優秀であればよいのではないか、という反論があるかもしれません。しかし、そうではないのです。どんなにポテンシャルのある会社であっても自社の良さに気付いていない会社や大きな問題の解決方法が分からない会社も多くあります。そのような会社はポテンシャルはあるものの、それが上手く引き出されていないだけなのです。今までのコラムでも何度も触れてきたとおりです。このような会社については専門家の支援が非常に効果的です。ただ、専門家であればだれでもよいのではなく自分の役割をしっかりとわきまえ、その会社に一番必要な関与をすることができる専門家が一番良いのです。この意味で、冒頭の「引き出す力」という言葉を用いました。専門家が主役になってしまうと、「押し付ける力」が強くなってしまい、本来の役割を超えてしまう。その結果、うまくいかなくなるのですね。

引き出す力とは具体的にどんなもの?

では、その引き出す力の具体的な内容はどのようなものでしょうか。これは様々な能力から構成されます。例えば、その会社の業界知識は必要です。その会社や経営者が、他社と何が違うのか気付けなければ有益な情報を引き出せないからです。また、高い専門性も必要です。引き出す力との関係でいうと、自分が持っている専門的な知識を相手の会社にマッチする形で取捨選択する土台として高い専門知識が必要になってくるという意味です。

以上は知識をベースにしたどちらかというとハード面のスキルですが、一方でソフト面の要素も必要になります。その中でも人間性が一番重要です。というのも、相手から引き出すという行為は、相手にとっては自己の中身の開示になるわけです。信頼できない相手には素直に自分の内面を伝えないでしょうから、引き出す力の根本になるのはこの人間性なのです。この人間性をもう少し具体的な態度まで落とし込むと、相手の立場を尊重する、自分の意見を押し付けない、こちらの方が知識が遥かにあったとしても同じ目線で接するといった内容になります。

良い専門家を選べるようになってほしい

上記のように、一口に引き出す力といっても高い総合力が求められることがお分かりいただけたと思います。だから、このような専門家の数自体は少ないかもしれません。しかし、絶対数としては一定数存在しているのは間違いありません。

本コラムでお伝えしたことは良い専門家の特徴が主眼でしたが、これはそのまま良い専門家を見分ける判断基準にも使えるものです。

この仕事をしていてつくづく感じるのは、事業再生の成否は専門家次第ということです。もちろんどのような会社でも再生が可能というわけではありません。現実には、既に手遅れで手の施しようのないケースもあります。しかし、本来であれば再生できるようなもったいないケースがどれほど多いことか!

本コラムによって少しでも玉石混交の専門家の中から会社の将来に大きく貢献できるような専門家を選ぶ一助となりましたら幸いです。

※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。