栃木県の信金・信組の頑張り~第三弾:栃木信用金庫(とちしん)~
栃木県内の信用金庫・信用組合の紹介、第三弾は栃木信用金庫です。
(1)営業エリア
栃木市(8店舗)を中心に、小山市(1)、壬生町(2)、佐野市(1)、宇都宮市(6)に計18店舗を有しています。栃木県の南西エリアが営業基盤です。
(2)経営計画
平成30年度から、新中期経営計画「ミッション2020」をスタートしています。
「ミッション2020」では、信金らしい行動、つまり「Face to Face」+「Heart to Heart」に特化することで地域社会への貢献を目指すとあります。
また、超低金利の下でも貸出金で利益を上げられる体質への変革を目指しています。経営の効率化を進めることで、
貸出金利息>人件費+物件費
の実現を目指しています。
(3)取り組み
①事業再生・経営支援
当金庫では、「経営強化支援グループ」を設置し、栃木県再生支援協議会などの外部支援機関や官民ファンドであるとちぎネットワークファンド、各専門家とのネットワークを活かしながら、地域中小企業の経営改善・事業再生支援に積極的に取り組んでいます。
活用事例は、経営改善計画書の策定支援のほか、工場の採算性や在庫削減の取り組み支援、労務対策、営業支援などの問題解決に向けて対応しています。
外部支援機関活用による経営支援取り組み先数は29年度末において累計で205先に達しました。
②販路拡大支援
「とちしんドリームマッチング」という、当この取引先の製品・技術を首都圏の大手企業へ橋渡しする企画を行っています。
他にも、他地域主催の展示会・商談会に協賛・共催することにより取引先の販路開拓を後押ししています。
③事業承継支援
中小企業基盤整備機構と連携し、「事業承継対策セミナー」を開催しています。
④創業支援
「とちしん創業者特別相談会」を開催し、参加者は栃木県よろず支援拠点のコーディネーターからアドバイスを受けることができました。
(4)金融仲介機能のベンチマーク
金融仲介機能のベンチマーク(注1)としては下記の項目を掲載しています。以下、各項目について簡単にコメントしていきます(すべて平成29年度です)。
①共通ベンチマーク
3.金融機関が関与した創業件数
→14件、妥当な水準です。
5.事業性評価に基づく融資を行っている与信先数及び融資額
→31先、15億円です。当金庫の取引先数からすると、もっと増やせる余地があるのではないかと思います。
②選択ベンチマーク
2.メイン取引先数及び全取引先数に占める割合
→1,235先数、54%です。比較的高い割合ですので、徒に取引先数を増やしているのではないことがわかります。
11.経営者保証に関するガイドラインの活用先数、及び、全与信先数に占める割合
→
新規に無保証で融資した件数:352件
新規融資に占める経営者保障に依存しない融資の割合:15.01%
保証契約を解除した件数:20件
経営者保証に関するガイドラインに基づく保証債務整理の成立件数:0件
数値の水準は妥当です。そもそもこの項目を開示している金融機関は多くありませんので、当金庫の姿勢を示しているものと言えるでしょう。
18.販路開拓支援を行った先数
→10先です。高い水準ではありませんが、これは商談が成約したもののみの数値になっているためです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(※1)金融仲介機能のベンチマークについては、2017年5月13日のコラムで説明しております。
※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。