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認定支援機関を利用しよう~利用することによって得をする制度があります~

認定支援機関とは、認定経営革新等支援機関の通称です。
平成24年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設されました。
認定制度は、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を、経営革新等支援機関として認定することにより、中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものです。
 認定支援機関の全体の比率としては、公認会計士や税理士が大きいですが、金融機関や弁護士、中小企業診断士、各種コンサルティング会社など様々な領域の専門家が認定支援機関として登録しており、中小企業は自社のニーズに基づき、適切な認定支援機関を選定する必要があります。
 また、各種認定支援機関による支援制度が整えられており、これらの制度を利用する場合には認定支援機関の関与が必要となってきます。

補助金が支給される制度

①経営改善計画策定支援事業

【補助の対象】経営改善計画策定費用及びモニタリング費用の総額
【補助金額】3分の2(上限200万円)
【制度】認定支援機関が経営改善計画の策定を支援し、中小企業・小規模事業者が認定支援機関に対し負担する経営改善計画策定支援に要する計画策定費用及びモニタリング費用の総額について、経営改善支援センターが、3分の2(上限200万円まで)を負担する
【認定支援機関の関与】認定支援機関が経営改善計画の策定を支援及びモニタリングを実施

②ものづくり・商業・サービス革新補助金(内容は平成27年度補正のものです)

【補助の対象】設備投資やサービス・試作品の開発に係る経費(機械装置費、人件費、原材料費等)
【補助金額】(一般型)3分の2(上限1,000万円)
(小規模型)3分の2(上限500万円)
【要件】・(革新的サービス)「サービス高度化ガイドライン」で示された方法で行う革新的サービスであること
(ものづくり)「中小ものづくり高度化法」に基づく特定ものづくり基盤技術を活用していること(例:情報処理立体造形など)
・3~5年計画で「付加価値額」年率3%および「経常利益」年率1%の向上を達成する事業であること(付加価値=営業利益+人件費+減価償却費等)
【注意点】公募期間は毎年短いため、頻繁なご確認をお勧めします。
【認定支援機関の関与】認定支援機関が事業計画づくりをサポート及び「認定支援機関確認書」の発行

融資制度

①中小企業経営力強化資金

【貸付主体】日本政策金融公庫
【対象者】経営革新又は新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓を行おうとする者で、認定支援機関の指導及び助言を受けている者
【対象資金】設備資金及び運転資金
【貸付限度】≪中小企業事業≫7.2億円(運転資金2.5億円)
≪国民生活事業≫7,200万円(運転資金4,800万円)
【貸付利率】基準利率
【貸付期間】20年以内(設備資金)、7年以内(長期運転資金)
【認定支援機関の関与】事業計画の策定及び実行支援

②経営支援型セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)

【貸付主体】日本政策金融公庫

【対象者】原材料・エネルギーコスト高及びデフレ等の影響を受けて資金繰りに困難をきたしている中小企業・小規模事業者であって認定支援機関等の経営支援を受ける事業者
【対象資金】設備資金及び運転資金
【貸付限度】≪中小企業事業≫7.2億円
≪国民生活事業≫4,800万円
【貸付利率】基準利率((中小)1.60%、(国民)1.90%)ただし、厳しい業況にある場合や雇用の維持・拡大を図る場合は0.1%から0.5%の金利の引き下げがあります)
【貸付期間】15年以内(設備資金)、8年以内(長期運転資金)
【認定支援機関の関与】経営改善支援

③経営支援型の企業再生貸付※

【貸付主体】日本政策金融公庫
【対象者】認定支援機関による経営改善計画策定支援事業を利用している又は経営改善計画の策定を行い、認定支援機関等による指導及び助言を受けており、かつ、同計画に対する関係金融機関の合意がなされている事業者
【対象資金】企業の再建を行うために必要な設備資金及び運転資金
【貸付限度】≪中小企業事業≫7.2億円
≪国民生活事業≫7,200万円(運転資金4,800万円)
【貸付利率】(中小)0.9%~1.3%
(国民)0.85%~1.95%
【貸付期間】(中小)設備資金20年以内、運転資金15年以内
(国民)設備資金15年以内、運転資金15年以内
【認定支援機関の関与】認定支援機関による経営改善計画策定又は認定支援機関による指導及び助言

※当制度は認定支援機関が関与する以外のケースもありますが、本項では認定支援機関の関与を前提とした内容を記載しております。

保証制度

経営力強化保証制度
【保証主体】信用保証協会
【対象者】金融機関と認定支援機関の支援を受けつつ、自ら事業計画を策定し、計画の実行と進捗を行う中小企業者
【保証限度額】2億8,000万円(無担保保証は8,000万円)
【保証割合】責任共有保証(80%保証)。ただし、100%保証の既保証を同額以内で借り換える場合は、例外的に100%保証。
【保証期間】運転資金の場合は5年以内、設備資金の場合は7年以内。既保証を借り換える場合は10年以内。
【保証料率】一般保証における保証料率から概ね0.2%引き下げ。
【認定支援機関の関与】経営改善支援

有利な税制

商業・サービス業・農林水産業活性化税制
【対象者】青色申告書を提出する中小企業者等
【対象資産】「建物附属設備」で60万円以上のものおよび「器具及び備品」で30万円以上のもの(中古品除く)
【税制措置】取得価格の30%の特別償却又は取得価格の7%の税額控除(税額の20%が限度)を選択適用
【適用の要件】a.認定支援機関からの経営改善に関する指導及び助言を受けていること
b.「指導及び助言を受けたことを明らかにする書類」に、税制措置を受けようとする設備が記載されていること
c.「指導及び助言を受けたことを明らかにする書類」に記載された設備を実際に取得をして、中小企業者等の営む商業、サービス業等の事業の用に供すること
【認定支援機関の関与】経営改善支援及び「指導及び助言を受けたことを明らかにする書類」の作成

複数の支援が組み合わされた制度

経営力向上計画

【スキーム】認定支援機関の関与により、経営力向上計画を策定する
【固定資産税の特例】経営力向上計画に基づき取得する新規の機械装置の固定資産税の課税標準を、3年間1/2に軽減。赤字法人を含めた点に特徴。
対象資産は①160万円以上、②生産性1%を満たす機械装置
【固定資産税以外の支援措置】商工中金による低利融資や、保証協会による信用保証のうち別枠の追加保証や保証枠の拡大、補助金等における優先採択など
【認定支援機関の関与】経営力向上計画の申請をサポート

(以上は、平成28年8月現在に基づく情報です。本制度は毎年のように更新があるため、ご利用の際しては必ず最新の情報をご確認ください。)

※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。