経営者は公的な役職を引き受けるべきか
本業以外の付き合いもある
今日は茨城県まで出張しました。
さて、本日面談した社長は40代で比較的若いのですが、地元の業界組合の組合長をしています。
地元業界の経営者の中ではかなり若い方です。
しかし、他になり手がいないため、半ば押し付けられる形で引き受けているようです。
本業でも忙しいのに、組合での活動もばかにはなりません。
ライオンズクラブなど、地方の中小企業にはこのような本業以外の役職や付き合いというものが結構あります。
これらは本業の時間を割いてまで時間を使うべきなのでしょうか。
基本的には引き受けた方が良い
程度にもよりますが、基本的には引き受けた方が良いと思います。
もちろん、本業をおろそかにしてそちらの活動ばかりしている経営者もたまにはおられます。さすがにこれは本末転倒だと思いますが、ある程度の時間に抑えられるのであればそれなりのメリットがあります。
まず、視点が自ずと高くなる点があります。
例えば、組合長をすると必然的に地元の業界全体の視点で考えるようになります。この結果、自社だけでなく同業他社の協力が必要な場合もあるでしょうし、自治体に協力を求めるケースも出てくるかもしれません。いずれにせよ、今までよりより高い視点で物事を考える癖がつくのです。
そして、そういった点は経営者の魅力増加に繋がり、そのことが会社の求心力向上に結びつくのです。
また、そのような役職を経験することで、複雑な力学を理解することもできます。
特に地方では何かが決まるのに、目に見えにくい力が働いたり、意外なところから横槍が入ったり、傍目からは想像できないような力学が働くことが多いものです。これらを身を以て経験することは、公職を退いた後でもきっと役にたつでしょう。
そして、いうまでもなくそれらの活動から得られる人脈も財産です。
何事もそうですが、人との繋がりに勝る財産はありません。
本業への還元が大切
一方で、気をつけた方が良いこともあります。
それは、本業への還元を常に考えるべきということです。
公的な役職の仕事は基本的にボランティアで、直接自社の業績向上には繋がりません。
しかし、そこで得た知見や知識、人的ネットワークもそうですし、そのような経験を通じて得られたインスピレーションを自社の経営に役立ててほしいと思うのです。
同業者の集まりなど、ただの飲み会になっているケースも多いものです。
もちろん、それらに意味が全くないとは言いませんが、せっかく貴重な時間を割いて集まるのであれば、参加者全ての経営に役立つような実のある勉強会などを実施すべきです。
そのため、ご自分が会の中身を決められる権限があるのであれば、有意義な中身に変えた方が良いでしょう。
今までがだらだらした会ばかりでしたら、最初は会員の中に戸惑いが生まれるかもしれません。
しかし、地方の経営者は皆地元経済の将来に薄々危機感を持っていますので、眠っている危機感を刺激してあげればきっと賛成してくれると思います。
※上記内容は、以前別の屋号で書いたブログと同じ内容になります。