経営を深め、相談する場

ななめ読みで理解するものづくり補助金

第5次ものづくり補助金の公募が開始しました

2021年2月2日からものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(一般型)(通称もの補助)の公募が始まりました。

締め切りは2月19日17時です。

有名な補助金ですので、名称を聞いたことがある方は多いかもしれませんが、詳しくご存知の方は少ないのではないでしょうか。

そもそもどのようなものが対象になるのか、特に自社が近いうちにやろうとしている設備投資が対象になるか否かは非常に気になるところではないでしょうか。

公募要領をよく読めばもちろんわかりますが、公募要領は結構なボリュームですし、多くの加点要素や対象とならない経費などの情報もたくさんあり補助対象になるか否かを確認するだけでも一苦労です。

今回はこの補助金がどんなものなのか、特にどのような投資が対象になるのかを重点的に解説していき、読んでいただいた方が簡単に補助対象となる投資か否かを判断できるようになればと思います。

メリットが大きい

まず、補助の内容です。補助の上限額及び補助率は会社の規模や補助事業の内容によって異なるのですが、小規模事業者であれば上限1,000万円、補助率2/3となる可能性が高いです。

中小企業向けの補助金は小規模事業者持続化補助金を始めいくつかありますが、もの補助はその中でもかなり恵まれた内容になっています。

しかし、それだけ申請書に記載する分量も多く、それなりに詳しく書かなければならないので、小規模事業者が自身で申請書を作るのは難しく、認定支援機関の支援を受けて作成するのが一般的です。

その結果として、採択率は4割から5割くらいあり、そこまで難しくない補助金になっています。

とはいえ最初から認定支援機関に相談するのはハードルが高いでしょうから、まずは本記事を読んでいただき、対象になりそうだったら改めて相談するというのがスムーズかと思います。

これって対象になる?

さて、ではどのような投資が補助の対象となるのでしょうか。

一言で言えば、経営革新につながる投資です。

経営「革新」というのがポイントです。

では、具体的にどのような投資が経営革新につながるのでしょうか。

具体例を挙げたいところですが、対象となる設備投資は非常に多岐に渡り、一つ一つ挙げていってもきりがありません。

そこで、ここでは大枠のところで対象となりそうか判断しやすくするためにいくつかのグループに分けました。

一番大きなグループ分けでは、A2つ、B2つの4つのグループになります。

A 新商品(試作品)開発

A 新たな生産方式の導入

B 新役務(サービス)の開発

B 新たな提供方式の導入

特筆すべきは、「ものづくり補助金」という名称が浸透していますが、サービス業でも対象になることです。

サービス業は上記Bのうち、いずれかに該当すれば対象となる可能性があります。

4つのグループのいずれかに当てはまったら、そこからさらにAは12、Bは10のグループに分かれます。

Aは技術、Bは改善の方向性となります。

そこからさらに具体的な内容になります。

その中に自社に当てはまりそうな内容があるか、下記の図をさらっと目を通していただければと思います。

もの補助対象

【要件】今年度から賃上げが必要

さて、上記の図のうちいずれかに当てはまったとしましょう。

安心するのはまだ早いです。

というのも、補助を受けるには下記の要件を満たす計画を策定し、従業員に表明する必要があります。

1. 事業者全体の付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を年率平均3%以上増加

2. 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加

3. 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円の水準にする

の3つです。

このうち、気をつけなければならないのは2と3です。というのも、仮に採択され補助金を満額自領したとしても、その後に2と3を満たさなければ、それぞれ一定の算定式によって計算された金額を返還しなければならないからです。

デメリット(時間とコスト)

補助の額は大きいですが、一方でそれをもらうためにどの程度の時間と費用がかかるのか、気になる方も多いでしょう。

先に、もの補助へ申請する際は認定支援機関の方の支援を受けるのが一般的だと書きました。

しかし、彼らへお願いすれば他には時間がかからないというわけではありません。

例えば、申請書を記載するのは事業者側、認定支援機関側のどちらもあり得ますが、仮に彼らが記載するケースであったとしても、材料は事業者へのヒアリングによりますので少なくとも数時間は時間を取られます。

さらに、様々な資料を認定支援機関に提出することになりますので、その時間もばかになりません。

そしてもう一つ、認定支援機関へ払う報酬額です。

認定支援機関によって様々でしょうけれど、相場としては着手金で10万円、成功報酬で補助金額の10%とするケースが多いようです。

認定支援機関を選ぶ際の目安にしていただければと思います。

やるかやらないかは総合的に判断する

さて、今回はもの補助のメリット、対象となる投資、要件、デメリットについて簡単に解説してきました。

時間と費用をそれなりにかけたとしても、半分強は不採択になるため、慎重に判断したいところです。

しかし、もしも補助の対象になりそうであれば、補助金の額は非常に大きいので、この機会を見逃す手はありません。

実際のところ、多くの中小企業を見ていてやはり時代に乗り遅れているなあと感じることが多いので、経営を改善する大きなきっかけとしてチャレンジしてみるのも良いでしょう。